スポンサーサイト
-- / -- / -- ( -- )
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-- : -- : -- | スポンサー広告 | page top↑
背理法の罠
2014 / 01 / 17 ( Fri )
久しぶりに、数学の話ですが、ほとんど数式を使わない簡単な話なので、
こちらに書きます。

ご存知の方も多いと思いますが、
「背理法」という証明法があります。

「Pであるならば、Qである」という命題を証明するのに、
わざと、「Qでない」と仮定して、矛盾を導き出して、
「よって、Qである」と結論付ける方法ですね。

抽象的だと分かりにくいと思うので、具体的で卑近な例をあげると、

「Aさんにアリバイがあるならば、Aさんは犯人ではない。」

という命題。背理法で証明できます。
証明は以下の通り。

「Aさんは、犯人である」と仮定する。

犯人ならば、犯行時刻に犯行現場にいたはずである。

しかし、Aさんは同時刻に、他の場所で目撃されている(アリバイ)

このことは、犯行現場にいたことと矛盾

よって、Aさんは犯人ではない(証明終了)


というわけですね!


ここからはちょっと数学の話。

この背理法、とても自然な手続きに思えるのですが、うっかりすると、
とんでもない結論を証明してしまう危険性がある
と気づきました。

たとえば、

a は実数とする。
a2 = -1 ならば a = 0 である。


という命題が背理法で証明できてしまいます。
やってみましょう!

a ≠ 0  (a=0ではない)と仮定する。

a は実数で、a≠0 だから、a2 > 0

このことは、a2 = -1 < 0  と矛盾する。

よって、 a = 0 である。

(証明終了)

いや、恐ろしいですね!
証明のどこが間違ってるのでしょう???

実は、証明はどこもおかしくないんです。

もともとの命題が論理学上、正しいんです!

この命題は、
実数で2乗したら -1 になるようなものが存在すれば、それは0である。

ということを言ってるにすぎないんです。

ご存知の通り、2乗してマイナスになるのは虚数ですから、
実数にこのような数は存在しません。

命題において、もともとの仮定がありえない仮定になっている場合は、
帰結が妥当であるか否かにかかわらず、論理学上は真となります。


なんだかキツネにつままれた感は否めませんけどね・・・

ということは、

太陽が西から昇るならば、
僕は指一本で幻想即興曲を弾けます。


という命題も正しいんですね(笑)

誰かをミスリードしたい場合には、背理法がおすすめです^^
スポンサーサイト

テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術

13 : 02 : 29 | 数学(高校+α) | コメント(4) | page top↑
<<♪ エチュード op.10-9 (5) | ホーム | ♪ シューベルトの即興曲迷演奏>>
コメント
----

対偶を取ると(一見)おかしくなるってのはいろいろあって、有名なのじゃ、

「叱られないと勉強しない」

対偶を取ると

「勉強すると叱られる」

いやこれも全然不思議でもないんですけどね^_^;
by: shig * 2014/01/17 16:45 * URL [ 編集] | page top↑
--shigさんへ--

>「勉強すると叱られる」

それは有名ですよね!
他に、命題とは関係ないですが、数学的帰納法により、
「今週中に抜き打ちテスト」はできないなどというのもありましたよね(笑)

まあ、これらはみんな言語表現によるすり替えトリックが入ってるから
いわばマジックみたいなものでよいのですが、
今回の記事はまったく、種も仕掛けもなくて、
数学的に厳密に正しいので、恐ろしいです。
うっかりすると、とんでもない結論を導き出してしまいそうで、気を付けないと(笑)
by: dyne→shigさん * 2014/01/17 17:00 * URL [ 編集] | page top↑
--こんばんは--

dyneさん
こんばんは。
ここ最近、2つのブログとても精力的に書いておられますね。

背理法の話題でしたら僕にもコメントできそうです(笑)
昔数学の授業で「AならばBである」の命題において、A自体が間違いである場合は命題は真であると習ったことがすごく印象的でした。
今回のdyneさんの説明でよくわかりました。
このお話を読んで、僕はホリエモンが時間外に株を取引きして大儲けしたことを思い出してしまいましたが、関係ありませんかね(笑)
あと、命題の証明は対偶を証明すればよい、という件とも関連しますか?
by: ST Rocker * 2014/01/20 20:48 * URL [ 編集] | page top↑
--ST Rockerさんへ--

コメントありがとうございます^^

>ここ最近、2つのブログとても精力的に書いておられますね。

そうですね!
僕もST Rockerさんと同じでネタに困ることはないんですが(笑)、
書く時間と気力が必要ですね。

>背理法の話題でしたら僕にもコメントできそうです(笑)

どんな記事でも、お気楽にコメントくださいね!

>昔数学の授業で「AならばBである」の命題において、A自体が間違いである場合は命題は真であると習ったことがすごく印象的でした。

昔習われたんですね。
僕、これ習ったことないような気がするんですよね・・・最近、知りました^^;

>このお話を読んで、僕はホリエモンが時間外に株を取引きして大儲けしたことを思い出してしまいましたが、関係ありませんかね(笑)

ちょっと考えてみたのですが、あまりよく分かりませんでした・・・汗
是非、ご説明をお願いしたいです^^;

>あと、命題の証明は対偶を証明すればよい、という件とも関連しますか?

「対偶」とは、2つの意味で関連します。

一つ目は、「背理法自体が対偶を証明していることになっている」という点です。

「PならばQである」の対偶は、「QでないならばPでない」ですが、
背理法は、「Qでないならば、Pと矛盾(すなわち、Pでない)」を証明しているので、
結局、対偶を証明していることになるわけです。

もう一点というのは、今回のこの奇妙に思える命題も、対偶を取れば、
すごく自然な命題になるという観点です。

「PならばQである」でPがありえない事象であれば、
Qの正否にかかわらず、命題は真であるのはなんとなく違和感を感じますが、
対偶を取ってやると、
「Qでないならば、Pでない」となり、Pがありえない事象だったんだから、
「Pでない」というのは、違和感なく、真となるわけですね。

記事にある例で言うと、対偶は、

「僕が指一本で幻想即興曲を弾けないならば、
太陽は西から昇らない」

となるわけですが、そりゃ太陽は西から昇るわけないので、
明らかに、真となるわけですね!
by: dyne→ST Rockerさん * 2014/01/21 12:44 * URL [ 編集] | page top↑
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。