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∫ 演算子の行列表現 (2)
2013 / 02 / 28 ( Thu )
前回の記事において、演算子 X として、
基底 |a> を固有ケットにもつエルミート演算子 A 自身を考えることにする。

行列要素は、
< a' | A | a'' > = a' δa'a''  (1)
となるから、
演算子AをA自身の固有ケットで表現した表現行列は、対角行列となる。

ここで、
正規直交基底の完全性の式

Σa' | a' > < a' | = 1   (2)

を用いると、任意の演算子 X は、

X = Σa'Σa'' | a' > < a' | X | a'' > < a'' |    (3)

と表せることが分かる。


演算子 X を A 自身とした場合は、(1)を代入すると、

A = Σa' a' | a' > < a' |   (4)

となる。

この形は、結構便利!!!

参考文献
J.J. Sakurai "Modern Quantum Mechanics"
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00 : 03 : 56 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 演算子の行列表現
2013 / 02 / 05 ( Tue )
半年ぶりですが、量子力学の続き。

「線形写像の行列表現」で書いた数学的手法を応用して、
量子力学における演算子を行列で表現します。

前記事の結論だけをもう一度書くと、

基底として正規直交基底を選んでおけば、線形写像Tは、
aij = ( e'i, Tej )
で定義される行列で表現できる。

ということでした。

エルミート演算子の固有ケットは、正規直交系をなすので、
これらの固有ケットを基底に取れば、上記の結果が使えるってわけです。

たとえば、エルミート演算子Aの固有ケット |a'>, |a''>,・・・ を用いて、
別の演算子 X を行列で表現することを考えると、

e'j → |a'>
ej → |a''>
T → X
に対応させてやると、

xa'a'' = < a' | X | a'' >

という成分を持つ行列 X = [ xa'a'' ] で表現できることになる。


サクライ先生は、このことを正規直交基底の完全性の式だけを使って、
非常にシンプルに導出しています。

Σa' | a' > < a' | = 1

は、恒等演算子だから、任意の場所に挿入できるので、
< α | X | β > という式に挿入してみると・・・

< α | X | β >
= Σa'Σa'' < α | a' >< a' | X | a'' >< a'' | β >


この式を・・・

Σa'Σa'' < α | a' >< a' | X | a'' >< a'' | β >

というように見てやると、

< α | a' >は、ベクトル<α| の a' 成分。
< a'' | β >は、ベクトル|β> の a'' 成分。

と見ることができて、

< a' | X | a'' >を行列 X の a'a''成分とみなすことにすると、

式全体は、
[行ベクトル α] × [行列 X] × [列ベクトル β]
と見ることができる!

なんてエレガントな導出法なんでしょう!!!

基底の完全性の式は、ほんとに魔法のようですね!
ディラックのブラケット表示がそれだけ素晴らしいということなんでしょうけど・・・

ところで、サクライ先生の教科書「現代の量子力学」には、
一言、こんな注釈が書かれています。

The operator is different from a representation of the operator
just as the actress is different from a poster of the actress.

「演算子」と「演算子の行列表現」とは別物である。
「女優」が「女優のポスター」とは別物であるように・・・

この例えがあまりにも分かりやすくて、思わず笑ってしまいましたよ(笑)

まあ、今どきなら・・・

2Dの女の子と3Dの女の子は違うんだよ!!!

と言った方が伝わるかもしれませんね!
・・・って、何の話だ、いったい!?(爆)



参考文献
J.J. Sakurai "Modern Quantum Mechanics"

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23 : 43 : 54 | 物理(量子論) | コメント(2) | page top↑
∫ 基底の完全性
2012 / 05 / 29 ( Tue )
前回の結果から、
エルミート演算子の固有ケットが完全正規直交系をなすので、
任意の状態ケットをこの固有ケットを基底として展開することができる。

| α > = Σa' ca' | a' >

左から < a" | を掛けると、固有ケットの正規直交性から

ca' = < a' | α >

これを元の展開式に代入すると、

| α > = Σa' | a' > < a' | α >

と書ける。

この式を

| α > = Σa' | a' > < a' | α >

というように見てやると、

Σa' | a' > < a' |恒等演算子に見えてくる。

つまり、

Σa' | a' > < a' | = 1

この式は、基底の完全性を表す式である。

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00 : 52 : 53 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 固有ケットによる完全正規直交系
2012 / 05 / 29 ( Tue )
JJサクライの量子力学の続きです。

エルミート演算子は、次の2つの重要な性質を持つ。

固有値は実数である。

異なる固有値に対する固有ケットは互いに直交する。

証明

エルミート演算子 A の任意の2つの固有値を a' 、a" 
固有ケットを |a'>、|a"> とすると、エルミート性から、

< a" | A | a' > = < a' | A | a">*

|a'> 、|a">は固有ケットだから、

a' < a" | a' > = a"* < a' | a" >*

すなわち、

(a' - a"*) < a" | a' > = 0

固有値が等しい時 ( a' = a" ) を考えると、

a' = a'*

となり、固有値は実数である(性質1)

固有値が異なる時 ( a' ≠ a" ) を考えると、

< a' | a" > = 0

となり、異なる固有値に対する固有ケットは互いに直交する(性質2)

以上で、証明終了。

固有ケットのノルムは任意だから、規格化してやると、
エルミート演算子の固有ケットは、完全正規直交系をなすことになる。

< a' | a" > = δa'a"

ここで、完全性については、物理的要請のようです。

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00 : 52 : 51 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ ブラケットと演算子の積の結合則
2012 / 04 / 17 ( Tue )
ブラケットと演算子の混ざった積の表現には、
すべて結合則が成立することが仮定される。

演算子の積の結合則
XYZ = (XY)Z = X(YZ)

は、演算子の積を普通に合成写像で定義してやれば、
結合則が成立するのは、自明として理解できますが、

ブラケットと演算子が混ざった積の場合の結合則
<α|X|β> = ( <α|X )・|β> = <α|・( X|β> )

は、よくよく考えてみると、そんなに自明ではない気がします。

つまり、演算子Xをまず、ブラに施してから内積を取るのと、
ケットに施してから内積を取るのとが本当に同じ意味になりえるのか?
という疑問を感じてしまいました。

ここ以降は、サクライに書かれている内容ではなくて、
自分で勝手に考えた考察ですので、ご注意ください!


普通の数学で使う内積表現では、この等式は、
(X+α, β) = (α, Xβ)
に対応していると考えられます。
つまり、ブラに施す方は、随伴演算子になってるんですね。
それがブラケット表示では、Xのまま、このように表記できると考えられます。

前記事を思い出すと、
X |α> ← DC → <α| X+
でした。
この関係を使って、
X = Y+となる演算子Yを考えると、
Y |α> ← DC → <α| Y+ = <α| X
となり、
( <α| X )・|β> のブラとケットを交換したものを考えると、

( <α| X )・|β> = [ <β|・(Y |α> ) ]*   (1)

一方、
<α|・( X |β> ) のブラとケットを交換したものを考えると、

<α|・( X |β> ) = [ (<β| X+)・|α>]*   (2)

ここで、結合則が成立するならば、(1)と(2)は同じはずであるから、
任意のα、βに対して成り立つことから、
Y = X+

2つの関係を合わせると、
(X+)+ = X
となり、双対の双対はもとに戻るということがわかる。

そして、(1)と(2)は、
<α| X |β> = [ <β| X+ |α>]*
と書ける。

この2つの性質が満たされるように約束すると、
自然に結合則が成立するようになるのではないのだろうかと
考えています。

独自考察なので、間違ってるかもしれませんが、
この結合則の要請がDiracの考えたブラケット記法のミソではないかな
と思うのですが、どうなんでしょう?

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01 : 14 : 30 | 物理(量子論) | コメント(2) | page top↑
∫ ブラケット・内積
2012 / 04 / 14 ( Sat )
さっそく、J.J.サクライを元に、ポイントを整理していこうと思います。
あくまでも、自分用のまとめなので、
自分がまとめておきたいことだけですけどね。

まずは、ブラケットの概念と内積のことについて。

量子力学的状態をケットというベクトル |α> で表す。

ケットに双対なブラというベクトル <α| を考える。

|α> ← DC → <α|   DCはdual correspondence (双対)

重要なのが・・・

c|α> に双対なブラは、c*<α| (cはスカラー)

双対空間へ行くと、スカラー倍の因子は複素共役になる!

c|α> ← DC → c*<α|


演算子Xに対して、
X |α> と <α| X が双対とは限らない!

X |α> に対して、<α| X+ が双対になるような演算子 X+を考え、
随伴演算子と呼ぶ。
X |α> ← DC → <α| X+

X = X+ となる演算子をエルミート演算子と呼ぶ。

この随伴演算子の定義は、普通の数学でよく見る内積を使った定義
(X+α, β) = (α, Xβ)
と違っていて、違和感があったのですが、
それについて考えたことは、次回の記事で述べます。



内積 <α|β> を以下の性質をもつものとして定義する。

(1) 交換すると、複素共役になる。
<α|β> = <β|α>*
(2) 自己の内積は非負である。
<α|α> ≧ 0

これは、おそらく、普通の数学の内積と同じ定義ですね。
ちなみに、(2)の前提として、自己の内積が実数になるというのは、
(1)で |α>=|β> にしたときを考えると、自明。

√<α|α>をノルムと考えて、通常、量子力学的状態は規格化しておく。

さらに、<α|β> = 0 を直交状態と考えて、
正規直交系を考えることができる。

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00 : 55 : 53 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ J.J.サクライ「現代の量子力学」
2012 / 04 / 09 ( Mon )
年初の目標にも書きましたが、
J.J.サクライ先生の「現代の量子力学」が面白すぎて、感動の連続です!

全450ページのうち、まだ100ページぐらいを読み終えたところですが、
ほんと、こんなに分かりやすい教科書は類を見ないですね!
名著の呼び声が高いのは知ってましたが、ここまですばらしいとは・・・

最近は、著者の哲学がしっかりしている本しか読む気がしないのですが、
哲学だけなら、ランダウリフシッツもディラックもすばらしいです。
サクライ先生のすごいところは、哲学があるだけでなく、
説明がとてもうまく、親切なところ。


ランダウ先生などは、分かる人だけ分かればよろしいというスタンスですが(笑)、
サクライ先生は、ここぞというところは必ず、説明がついてます。

「読者がよく勘違いするのは・・・」という説明を読んで、
「そうそう、勘違いしてました!」と思わずうなずいてしまったり。

ちょっとした式変形でも、たとえ導出を省略した場合でも、
「ユニタリー性から」などの導出の根拠となる説明が必ず入っているので、
非常に分かりやすいです。

もちろん、皆さんが名著と言っているように、
内容そのものもすばらしくて、目からうろこなことばかりです。

というわけで、きちんと理解しておきたいので、
自分がまとめておきたいポイントを記事で
整理していこうかなと思ってます。

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00 : 36 : 45 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 場の量子化 (2)
2012 / 02 / 04 ( Sat )
「光の量子論」以外の教科書も参考にしてみようと思ったのですが、
「場の量子化」の載っている本をあまり持っていなくて、困ったなあと思って、
よく考えてみたら・・・
シッフの最後にちょっとだけ載ってたのを思い出しました。

それを見て、気づいたのですが、
「場の量子化」について、思いっきりアホな誤解をしてました(恥)

場の量子化って、電磁場を量子化することだと思ってました。。。

粒子系が量子化されたのがシュレディンガー方程式で、
まだ、電磁場が連続量のポテンシャルとして入ってるだけの状態が半古典論。
そこで、電磁場の方も量子化しようという話かと思ってました。

その考え方自体は正しいと思うのですが、
場の量子論というのは電磁場に限らず、もっと広範囲の「場」の話のようです。

粒子系の波動関数ψも波動場とみなして、
もう一回量子化しようという話なんですね。
だから、「第二量子化」っていうんだ。
今頃、わかりました(汗)

とりあえず、いきなり電磁場を量子化しようとするから理解できないのかもしれません。
シッフに基づいて、ちゃんと、一般的な場の量子化手法から学ぼうと思います。

それにしても、難しくて訳分からなそうです。。。
でも、物理って、この訳分からなさがワクワクするんですよね!(笑)

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00 : 12 : 53 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 場の量子化
2012 / 01 / 29 ( Sun )
にわかに、「場の量子化」のところを勉強したくなってきました。
物理を志す人がたいてい、魅力的に感じる場所ですよね。

物質系の量子化に加えて、
電磁場を量子化して、「光子」の概念が登場するところ。

今読んでいるサクライの「現代の量子力学」には載っていなくて、
これが終わった後の「上級量子力学」を読まなくてはいけないのですが、
この本は、今の「現代の・・・」を読み終えた後でないと理解できないと思うので、
以前に同時並行で読み進めると言っていた「光の量子論」と言う本で
勉強してみようかなと思っています。

もちろん、量子力学を理解してからでないと、
ちゃんとは理解できないとは思いますが、雰囲気だけでも・・・

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22 : 23 : 25 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 2012年の物理
2012 / 01 / 03 ( Tue )
続いて、今年の物理に関する目標。

年越してから、目標ばかり立ててますね・・・
それはさておき、昨年の物理を振り返ってみます。

昨年は、前半は結構、熱中して勉強してたのですが、
後半は、だらけてしまい、ほとんどやってません(汗)

シッフの「量子力学」をベースにやってたのですが、
途中から、J.J.サクライの「現代の量子力学」に浮気したら、
これが名著の呼び声高いだけあって、ほんとに面白くて、分かりやすくて、
(かといって、奥が深いので、そんなに速く進まないのですが・・・)
完全にそちらに移行しています。

今年もサクライをベースに読み進んでいきたいなと思います。
今年の目標としては、一応、
サクライを読破する!
としておきますが、まず無理でしょうね。。。汗

この先、対称性のところで、どうしても群論が避けられないので、
昨年、群論の本を何冊か手に取りましたが、
どうも、こやつは好きになれませんね(汗)
今年は、ちょっと頑張って、勉強してみないとなあ・・・

それから、「相対性理論」も少し、始められればなあと思ってます。
今の非相対論的量子力学が終わると、場の量子論に入る時に、
必要不可欠になるという理由もあるんですが、
もうひとつ理由がありまして。

それは、「相対論」が僕の物理への興味の原点だからです。
中学の時に、読み物的な相対論の本を読んで、
その何とも言えない不思議感に魅了され、なんとか理解してみたいものだなあと
思ったのが、物理の道へ進むことにしたきっかけ。

よく、理系へ進んだ人の中には、
幼少期に電車や自動車、飛行機、ロケットなどのしくみが知りたいとか、
はんだごて握って、ラジオを作ったりするのが好きだとか、
そういう実際的な興味がきっかけになっている人が多いと思うのですが、
僕はこういう実際的なものには、それほど興味がありませんでした。
どちらかといえば、相対論の世界みたいに不可思議な世界への興味ですかね(笑)

話が長くなりましたが、そういうわけで、
相対性理論は、僕にとってやり残した学問のような気がしています。

あまり専攻分野に関係なかったので、ちゃんと勉強したことがないのですが、
そろそろ、ちゃんと理解してみたいですね。。。
(もちろん、読み物的ないい加減な理解はしてますが、
数式できっちりとという意味です)

その他、仕事的には、固体物理も勉強したいけど・・・
ああ、また気づいたら、書きすぎてましたね(笑)
今年の物理は、こんな感じで進めていきたいです。

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13 : 45 : 13 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 調和振動子 (6)
2011 / 12 / 13 ( Tue )
前回までで、調和振動子のエネルギー固有値が

λ = 2n + 1   ( n = 0,1,2,・・・)    (1)
E = ( n + 1/2 ) hω   ( n = 0,1,2,・・・)   (2)

というような離散的な値をとることが分かったところ。

次に、波動関数がどうなるか考えていきます。

(1)のλの式をSchrodinger方程式
H" - 2ξH' + (λ-1) H = 0  (3)
に代入すると、

H" - 2ξH' + 2n H = 0  (4)

となります。

この式を満たす多項式 Hn(ξ)は、エルミート多項式として知られています。

「知られています」だけで終わるわけにいかないので、
次回からしばらく、エルミート多項式についてのお勉強。
まだまだ、先が長い・・・

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12 : 02 : 30 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 調和振動子 (5)
2011 / 12 / 13 ( Tue )
前回、得られた結果

s(s-1) a0 = 0  (1)
s(s+1) a1 = 0  (2)
(n+s+2)(n+s+1) an+2 = { 2(n+s) + 1 -λ } an  (n≧0)  (3)

から、解を考えていきます。

まずは、a0≠0 だから、(1)より、
s = 0 または s = 1 のいずれかとなります。

s = 0 ならば、a1は任意の値を取れますが、
s = 1 ならば、(2)より a1 = 0 でなければなりません。

いずれの場合も、n ≧ 2 の値については、(3)の漸化式を用いて、
a0、a1の初期値から順々に求めて行くことになります。

(3)より
an+2/an = { 2(n+s) + 1 -λ } / (n+s+2)(n+s+1)  (n≧0)  (4)

n→∞の極限を考えると・・・
an+2/an → 2 / n

もともとの級数の定義に戻って考えてみると、
H(ξ) = Σn=0 an ξn+s   (5)

nの十分大きいところでは、級数の項は、
2n ξ2n / n! のようになることが分かります。

つまり、
H(ξ) ~ exp ( 2ξ2 )
のような振る舞いをすることになり、波動関数uは、
u ~ exp ( 2ξ2 ) exp (-ξ2/2) = exp ( 3ξ2/2 )
となり、無限遠で発散してしまい、物理的にはNG!

ということから、級数の項はどこかで切れて、
有限の級数にならなければならない!

(4)の漸化式を見ると、
偶数項は a0 → a2 → a4 → ・・・ というように、a0から作られ、
奇数項は a1 → a3 → a5 → ・・・ というように、a1から作られます。

奇数項については、a1 = 0 として、すべて0にできるが、
a0≠0 であるから、偶数項のどこかで切れなければならない。

そのためには、ある偶数nに対して、
2(n+s) + 1 -λ = 0
となればよい。すなわち、
λ = 2(n+s) + 1

s=0 と s=1 の両方が許されるから、
ある整数nに対して
λ = 2n + 1
という条件になります。

というわけで、無次元化されたエネルギー固有値λは、
λ = 2n + 1   ( n = 0,1,2,・・・)    (6)
と離散的な値しか許されないことになります。

以前の記事の(4)式
E = λhω / 2
を用いると、

エネルギー固有値 E は、
E = ( n + 1/2 ) hω   ( n = 0,1,2,・・・)   (7)

という離散的な値を取ることが分かります。

やっと、固有値がどのように表されるかまで、できました。
次は、波動関数がどのような形になるかを見ていきます。
ここからがさらに大変

参考文献:シッフ「量子力学(上)」

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12 : 01 : 59 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 調和振動子 (4)
2011 / 12 / 13 ( Tue )
珍しく、気分が乗ってまいりましたので、久しぶりに物理のお勉強。

前回に引き続き、調和振動子のSchrodinger方程式を解いていきます。
u" + (λ - ξ2) u = 0  (1)

u(ξ) : 固有関数
ξ : 無次元化した位置座標
λ: 無次元化したエネルギー固有値

前回、無限遠での漸近解を求めましたので、
u = H(ξ) exp (-ξ2/2)  (2)

の形での解を求めていくことにします。

uを微分すると、

u' = ( H' - ξH ) exp(-ξ2/2)

さらに微分すると、
u" = ( H" - H - ξH' ) exp - ( H' - ξH ) ξ exp
  = { H" - 2ξH' + (ξ2-1)H } exp

となるから、(2)を(1)に代入すると、H(ξ)の満たすべき方程式は、

H" - 2ξH' + (λ-1) H = 0  (3)

となります。

ここまでは簡単ですが、ここからがちょっと複雑。

まずは、無限級数 H(ξ)を
H(ξ) = Σn=0 an ξn+s   (4)
とおきます。

sは最低次の次数で、s≧0、a0≠0

微分して、
H'(ξ) = Σn=0 (n+s) an ξn+s-1   (5)

さらに、微分して、
H"(ξ) = Σn=0 (n+s)(n+s-1) an ξn+s-2   (6)

(4)~(6)をごっそり、(3)に代入して、

Σn=0 [ (n+s)(n+s-1) an ξn+s-2
       - 2(n+s) an ξn+s + (λ-1) an ξn+s ] = 0


少しまとめて、

Σn=0 [ (n+s)(n+s-1) an ξn+s-2
       - { 2(n+s) + 1 -λ } an ξn+s ] = 0


ここで、ξのべき指数を合わせるために、第一項だけ n-2→n にずらします。

Σn=-2 (n+s+2)(n+s+1) an+2 ξn+s
- Σn=0 { 2(n+s) + 1 -λ } an ξn+s = 0


そうすると、n≧0 の部分は、ξn+sでまとめることができて、

s(s-1) a0 ξs-2 + s(s+1) a1ξs-1
+ Σn=0 [ (n+s+2)(n+s+1) an+2 - { 2(n+s) + 1 -λ } an ] ξn+s = 0


任意のξに対して、恒等的に成立するためには、
ξのべきの各係数がすべて0でなければならないから、

s(s-1) a0 = 0  (7)
s(s+1) a1 = 0  (8)
(n+s+2)(n+s+1) an+2 = { 2(n+s) + 1 -λ } an  (n≧0)  (9)

という結果になります。

長くて疲れてしまったので、今日はこの辺で・・・
検算もしてませんが、また間違ってたら、あとで修正します

追記(12/14)
やはり、間違いがありましたので、修正しました。
(λ-1 になっていたところを 1-λに修正)

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12 : 00 : 22 | 物理(量子論) | コメント(4) | page top↑
∫ 調和振動子 (3)
2011 / 08 / 02 ( Tue )
前回、すっきりと見やすくしたSchrodinger方程式からスタート。

d2u/dξ2 + ( λ - ξ2 ) u = 0   (1)

文字の意味を振り返っておくと、
u(ξ) : 固有関数
ξ : 無次元化した位置座標
λ: 無次元化したエネルギー固有値

以下、微分記号を簡単に次のように書くことにします。
u" + (λ - ξ2) u = 0  (2)

シッフの教科書のレシピに従えば、
まずは、無限遠(ξ→∞)における漸近解を求めます。

ξ→∞にすると、(2)式は、
u" = ξ2u  (3)

となります。

これを満たす解を求めればよいのですが、
たいていの教科書では、いきなり、ポンと答えが書いてあるだけ・・・
こういうのって、非常にやる気が萎えるんですよね(笑)

大真面目にやろうとすると、どうやるのか僕も分からないのですが、
ここは、dyne流ということで、テキトーにやってみようと思います(笑)

まずは、式(3)をぐっと睨んでみると・・・(別に睨まなくてもいいけど)
2回微分すると、ξが2個前に出てきてるようです。
・・・ってことは、1回微分すると、ξが1個出てくるようなものではないか
と想像できます。

これを式にすると、
u' = ξu  (4)

こんな感じのものではないかと。(この段階では、あくまでも推測)

この式は、真面目にやっても、解けます。
つまり、du/u = ξdξと変数分離して、両辺を積分すると、
u = u0 exp (ξ2/2)  (5)

という解が得られます。

ところが、この解は数学的にはいいのですが、物理的には正しくない解。
というのは、波動関数は、無限遠でゼロに収束しなければならないのに、
この解は、ξ→∞で発散しちゃってます!

そこで、もう一度元に戻って、
1回微分すると、ξではなく、-ξでもよいのでは?
ということに気づきます。
-ξでも2回掛け算すると、+ξ2になるので。

そうすると、(4)式は、
u' = -ξu  (4)'

に変わって、解(5)は、
u = u0 exp (-ξ2/2)  (5)'

に変わり、今度は無限遠でちゃんとゼロに収束してくれる解が得られました。

でも、ここまでは単なる推測で解いただけなので、
実際に無限遠でおおもとの式(3)を満たすことを確認する必要があります。

1回微分すると、
u' = -ξ u0 exp (-ξ2/2)

再度微分すると、
u" = (ξ2 - 1) u0 exp (-ξ2/2)

ξ→∞とすると、(3)式を満たすことは明らか。

というわけで、
u = u0 exp (-ξ2/2)  (5)'

は、無限遠での漸近解であることが分かりました。

さらに、係数のところに有限の多項式がかかっても、
無限遠では、有限の多項式よりもexpの方が勝つので、漸近解となります。

無限の多項式でも、場合によっては、expが勝つので、
無限の多項式(無限級数)H(ξ)を導入して、

u = H(ξ) exp (-ξ2/2)  (6)

として、次は、Schrodinger方程式(2)を満たす解を探すことにします。
続きは次回。

参考文献:シッフ「量子力学(上)」

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19 : 51 : 20 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 調和振動子 (2)
2011 / 07 / 15 ( Fri )
有言実行ってことで、まずは、ストイックな
特殊関数を使って、バリバリと解いていく方法
で・・・

調和振動子(固有振動数ω)のポテンシャル V(x) は、

V(x) = 1/2 mω2 x2

HarmonicOscPotential01.jpg

これを使って、Schrodinger方程式を立てると、

-h2/2m d2u(x)/dx2 + 1/2 mω2 x2 u(x) = E u(x)   (1)

( h = h / 2π )

これを解いていけばいいのですが、
まずは、座標xを無次元化して、見通しをよくする。

無次元量 ξ=αx に変換すると(αは1/長さの次元)

d/dx = α d/dξ
d2/dx2 = α2 d2/dξ2

Schrodinger方程式(1)は、

-h2α2/2m d2u/dξ2 + 1/2 mω2 ξ22 u = E u

d2u/dξ2の係数を1にして、

d2u/dξ2 - m2ω2/h2α4 ξ2 u = - 2mE/h2α2 u

ξ2の係数も1になるように、αを選ぶ。

m2ω2/h2α4 = 1

α4 = m2ω2/h2

α = √( mω/h )   (2)

さらに、Eの部分の係数をλとおく。

λ = 2mE/h2α2

(2)を用いて、

λ = 2E/hω  (3)

E = 1/2 λhω  (4)

結局、Schrodinger方程式は、

d2u/dξ2 + ( λ - ξ2 ) u = 0   (5)

となり、スッキリとした形に。

それにしても、ブログで数式書くのは疲れますね!
早くも挫折の予感(汗)
今日は、こんなところです。

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00 : 46 : 13 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 調和振動子 (1)
2011 / 06 / 17 ( Fri )
量子力学では基本問題として必ず登場する
一次元調和振動子の問題を
大真面目に解いていこうかなと思います。

自分でまとめてみると、理解が深まると思うし、
自分を鍛えるためにも!(笑)

物理もピアノもストイックさが大切!(爆)

とりあえず、
特殊関数を使って、バリバリと解いていく方法

上昇・下降演算子を使って、エレガントに解く方法

がありますが、両方やるとして、
まずは、よりストイックなの方からでしょうかね(笑)

(宣言だけで終わったら、スミマセン!)

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18 : 50 : 34 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 量子力学の教科書②
2011 / 06 / 17 ( Fri )
前回記事では、メインの教科書として使用しているシッフについて
書きましたが、他に所有している教科書についても、
順次紹介していきます。

といっても、どれ一つ完読したわけではありませんので、
書評ではありません!
お間違いのないように。。。

今回は、名著の呼び声高いJ.J.サクライの「現代の量子力学」!

現代の量子力学〈上〉 (物理学叢書)
現代の量子力学〈上〉 (物理学叢書)桜井 純 段 三孚

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この本は、恐らく、量子力学でダントツ人気No.1の本ではないでしょうか!

僕が大学生の時も、この本を推薦している先生がいて、
学科の生徒たちの中でも、この本がダントツの人気でした。
なんと言っても、「JJ」と言えば、かの女性ファッション誌ではなく、
この本のことをさしてたぐらいです(笑)

僕は卒業してから、導入の部分だけ少し読んだことがあるのですが、
なるほど!本当にすばらしく分かりやすい本だなあと感動したものです。

いきなり、2個しか固有値を持たないような、
まさに量子力学的な系での実験の話から始めて、
まずは、古典力学的な常識を打ち破るところからスタートするのが斬新です。
でも、これが2個しか状態がない分、単純で分かりやすいんですよね。

その時は、時間がなくて、続きを読めないまま、今に至ってますが、
やはり、読んでみたいということで、先日、古本屋で見つけて購入しました。

日本語訳は、上下巻に分かれていて、高いので、原書です。
買ったのは、初版の方ですが・・・

Modern Quantum Mechanics (2nd Edition)
Modern Quantum Mechanics (2nd Edition)J. J. Sakurai Jim J. Napolitano

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今、少しずつ読み進めていますが、
この方は、天才的に説明がうまいですね!

ついつい読み進めていきたくなりますが、
初めのブラケットの基礎概念のところは、しっかりおさえておきたいので、
注意深く読み進めています。

シッフの方は、どろくさい計算が真面目に載っているということで、
実用上すばらしい威力を発揮するという魅力があるので、
どちらも並行して、読み進めていきたいですね!

他にも、まだまだ持ってますので、次回、紹介していきます。

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18 : 24 : 59 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 量子光学
2011 / 05 / 28 ( Sat )
例のボルチモアの学会では、最近話題になっている
「シュレディンガーの猫」の量子テレポーテーションに、
東大が成功したという発表もありました。

僕は専門外なので、さっぱり理解できませんでしたが^^;
一応、光関係の分野ではあるんですよ(汗)
この学会自体が光関係の学会です。

量子光学は、難しそうだから、ずっと敬遠してたのですが、
光の分野に身を置いている以上、
やはり、一度は勉強しておいた方がいいかなと思って、
以前の記事でも書いた展示会の洋書ブースで、
いろいろ、教科書を物色してみました。

量子光学というのは、光を古典電磁気学で理解するのではなく、
量子力学の枠組みで理解する学問。
具体的には、電磁場を量子化して、「光子」(光の粒)という描像で
考えるところが肝だと理解しているのですが、
案外、場の量子化の部分をきちんと書いている本が少ない気がしました。

いきなり、「光子」ありきで説明されても、僕は理解できないので、
場の量子化からきちんと説明されている本がよいと思い、
この本を購入してみました。

The Quantum Theory of Light (Oxford Science Publications)
The Quantum Theory of Light (Oxford Science Publications)Rodney Loudon

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ちなみに、日本語版も出ているようですが、版が古いようですし、
帰りの飛行機でさっそく、読みたかったので、洋書を買いました。

光の量子論
光の量子論Rodney Loudon 小島 忠宣

内田老鶴圃 1994-06
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シカゴの乗り継ぎが6時間以上あったので、
フードコートでビール片手に、ガシガシ計算してたのは、
傍から見ると、ちょっと異様な光景だったかも(汗)

それはさておき、
なかなか、定評のある本のようです。
まだ、量子化する前の部分を読んでますが、
説明がしっかりと書かれていて、論旨がすごく分かりやすいです。
数式も多くて、大変そうですが、その分、骨太に理解できそうな気がして、
読み進めるのが楽しみです。

この先、ついていけるかどうかは、はなはだ不安ではありますが・・・
それに、いろいろ手を出し過ぎて、
収拾がつかなくなってきてる気もしますね(汗)

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00 : 09 : 18 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 角運動量
2011 / 04 / 20 ( Wed )
量子力学の勉強の進捗状況。

特殊関数の修行をしばらくやってたおかげで、
(これに関しては、「修行」という語感がぴったり・・・笑)
束縛状態(調和振動子、水素原子など)のあたりは、
だいぶ理解が深まってきた気がします。
とにかく、計算に次ぐ計算で、気づいてみたら、
もう、ファイル2冊分ぐらいになってるし・・・(汗)

次は、連続状態(衝突、散乱)で、こっちも超重要なのですが、
シュレディンガー方程式を解くのにいい加減飽きたので、
気分を入れ替えるために、とりあえず、スキップ(笑)
もちろん、重要だし、ここで知りたい知識もたくさんあるので、
あとでやるつもりではいます^^;

で、このところ記事にしていた行列形式をさらっとやって、
対称性に入りました。
ここでは、「角運動量」をなんとかモノにしたいんです!

この角運動量というやつが難物で、
これまで何度勉強しても、いまいち理解できない・・・>_<:
古典力学の世界なら、L = r x p で、
中心力場では保存するというだけの非常にわかりやすい話なのですが、
量子力学になると、なんであんなに難しくなるんだろう?

いろんな演算子が出てきて、さっぱり何をやっているのか
わからなくなってしまいます。。。
おまけに、スピンも登場するし。

とはいっても、
電子は原子核からの中心力場で運動するので、
角運動量が分からないと、お話になりません。
今回こそは、乗り越えるぞ!

・・・と、とりあえず、宣言しておけば、
乗り越えられるような気がする(笑)

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17 : 37 : 31 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 量子力学の行列形式 (3)
2011 / 04 / 20 ( Wed )
前回は、演算子を行列として表示するところまで書きましたが、
今回は、ようやく、対角化の話までもっていけそうです。
シリーズ物は、たいてい途中で放置される傾向が強いので、
今回は、頑張ったかも!(笑)


ハミルトニアンを2種類の基底を用いて、行列表示することを考える。

一つ目は、ハミルトニアン自身の固有状態 |k> を基底に取った場合。

Hkl = < k | H | l >      (1)

二つ目は、別の演算子Ωの固有状態 |μ> を基底に取った場合。

H'μν = <μ | H | ν >    (2)

演算子としては同じものであるが、単に行列として見たときには、
別の行列になるので、区別するためにプライム( ' )をつけた。

前回の議論からわかるとおり、
(1)は対角型となるが、(2)は一般には、対角型ではない。

基底を変換することによって、(2)から(1)の表示へ持っていければ、
数学的には、行列の対角化と同じ操作をしていることになる。

さらに、正規直交基底から別の正規直交基底への変換なので、
内積・ノルムを不変にするユニタリ変換である。
つまり、エルミート行列のユニタリ変換による対角化を行っていることになる。

このことをはっきりさせるために、もう少し詳しく考察してみる。

対角型になっていない(2)からスタートすることにして、基底の変換を考える。
基底 |ν> を 基底 |k> を使って表す。
基底は、どちらも完全系をなしていると仮定しているので、

|ν> = Σk ak | k >     (3)

のように展開形で書ける。

|k>の系列の一つの基底 |l> との内積を取ると、

< l | ν > = Σk ak < l | k> = Σk ak δkl = al

となるから、係数 al は、

al = < l | ν >

と書けることが分かる。これを(3)に用いると、

|ν> = Σl | l > < l | ν >

| l >< l | のように2回以上出てくる文字について、面倒なので、
Σlを省略する記法が存在して、それを適用すると、

|ν> = | l > < l | ν >  (4)

と書ける。
これをじっくりと観察すると、

| l >< l | = 1 (恒等演算子)   (5) 

となっていることが分かる。

全く同様に、<μ| についても、

<μ| = < μ | k >< k |   (6)

と出来ることが分かるので、(4)と(6)を(2)に代入すると、

H'μν = < μ | k >< k | H | l > < l | ν >

と書ける。
同じ式を次のように見ると、
やっていることは、単純に恒等演算子 | k >< k |と| l >< l |を挿入しているだけである。
(恒等演算子だから、式を変えないのは当たり前)

H'μν = < μ | k >< k | H | l > < l | ν >

ところで、中央に対角型(1)の Hkl が現れたのに気づく。

ここで、< μ | k > = Uμk という成分を持つ行列 U を定義。

< l | ν > = < ν| l >* = U+   より、

H'μν = Σk Σl Uμk Hkl U+

と書き表すことができて、結局、これは行列の積として、

H' = U H U+

と書くことができる。

Uがユニタリ行列であることを確認するには、
(5)の恒等演算子の性質を利用して、

[ U U+ ]μν = <μ | k >< k | ν > = < μ | ν > = δμν
[ U+ U ] kl = < k | μ >< μ | l > = < k | l > = δkl

となり、 U U+ = U+ U = E 

行列が有限次元の場合は、片方でよいが、
無限次元の場合は、両方を確認する必要がある。

というわけで、U+ = U-1 なので、

U+ H' U = H

となり、
エルミート行列 H'をユニタリ変換 U によって、対角化する操作と同じである
ことが確認できた。

以上で、このシリーズは終了の予定です。
教科書をまる写ししているわけではなく、
自分で論理を再構成して書いているので、
間違ってるかもしれません!要注意です(汗)

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12 : 57 : 10 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 量子力学の行列形式 (2)
2011 / 04 / 19 ( Tue )
前回は、状態ベクトルを適当な基底を使って、成分表示しましたが、
今度は、演算子の成分表示について、考えてみます。

演算子は、ベクトルに作用するので、成分表示した場合には行列となる。
つまり、それらの成分は、行列の要素となる。

たとえば、ある演算子Aに対して、
ハミルトニアンの固有状態 |k>を基底に取った場合の行列要素はどうなるか?

第 k 行第 l 列の行列要素 Akl は、

Akl = < k | A | l >   と表せる。

ここで、<α|β> は、ベクトル的な内積を表し、
上の式は、Aを |l> に作用させた後、|k> との内積を取るという意味。

            ↓k
|k> = ( 0, 0, ・・・, 0, 1, 0,・・・ )
            ↓l
|l> = ( 0, 0, ・・・, 0, 1, 0,・・・ )

ということを思い出して、
実際に < k | A | l > を行列計算してやると、
Akl という成分だけが取り出されることが容易にわかる。

これらの要素を全部並べれば、行列となり、演算子の成分表示ができた。

同じようにして、ハミルトニアン演算子Hの成分表示をしてみると、

Hkl = < k | H | l >   となる。

ところが、|l> はHの固有ベクトルだったから、

H |l> = El |l>   なので、

Hkl = El < k | l > = El δkl

となり、Hは対角成分のみだけが値を持つ対角型行列となる。

以上の考察からわかること。

ある演算子の成分表示である行列は、
その演算子自身の固有状態を基底に取った場合は、対角型となる!


ハミルトニアンの行列は、エネルギー固有状態を基底に取った場合は、対角型となる。

やっと、対角行列が出てきたので、今回はこの辺で。

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12 : 46 : 25 | 物理(量子論) | コメント(2) | page top↑
∫ 量子力学の行列形式 (1)
2011 / 04 / 18 ( Mon )
せっかく、対角化の記事を書いたところなので、
量子力学でどう使うかについてまで、
まとめておこうかなと思ったのですが、
意外にどう書いたらいいか難しいですね!

※この記事は、シッフの「量子力学」を参考にしています。


量子力学的状態は、抽象的なベクトルで表現できる。

Diracが考案したブラケット記法を用いることにして、
たとえば、ある状態αをベクトルとして、|α>と表す。
(このベクトルを「ケット」と呼ぶ)

ハミルトニアンHの固有値Ekに対する固有状態を |k> と書くことにすると、

H |k> = Ek |k>

Hはエルミートだから、|k> を正規直交基底とすることができ、
完全系であれば、任意の状態αを次のように展開することができる。

|α> = Σk ak |k>

この展開係数を並べると、成分表示になり、ベクトルっぽく見えてくる。

|α> = ( a1, a2, ・・・, ak, ・・・ )

同じように、|k>をこの成分表示で表すと、
          ↓k
|k> = ( 0, 0, ・・・, 1, 0, ・・・)

という風に、k番目だけが1になった単位ベクトルである。

ところで、正規直交基底の取り方なんて、他にもいくらでもありうるから、
これ以外の成分表示で表すことも出来る。

たとえば、ハミルトニアン以外の別のある物理量演算子Ωの
固有状態を基底にとることを考える。
固有値をωμに対する固有状態を|μ> と書くと、

Ω|μ> = ωμ|μ>

物理量演算子なので、エルミートだとすると、
やはり、正規直交基底とすることができて、
完全性を仮定すると、状態αを

|α> = Σμ bμ |μ>

のようにも展開することができる。

同様に、成分表示にすると、

|α> = ( b1, b2, ・・・, bμ, ・・・)

今度は、基底自体を成分表示すると、|k>の時と同様に、
           ↓μ
|μ> = ( 0, 0, ・・・, 1, 0, ・・・)

この|μ> を基底に取った表示では、
もはや、|k> は先ほどのようにきれいな形では表せない。
(すべての成分に値を持つことになる)

まだ対角化はでてきませんが、とりあえず、今回はここまで。

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22 : 26 : 04 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
∫ 量子力学の教科書①
2011 / 03 / 26 ( Sat )
完全に物理ブログと化してますね。

量子力学の教科書としては、
定番のシッフの「量子力学」(上下巻)を使っています。
ウン十年前に、学部時代の授業で教科書指定されていて、購入したもの。

量子力学 (上) (物理学叢書 (2))
量子力学 (上) (物理学叢書 (2))シッフ 井上 健

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実は、量子力学の教科書の収集が趣味でして
(・・・というのは半分嘘で半分ほんとですが)
いろんな教科書を本棚にきれいに保管しております(笑)

量子論に限らず、物理の教科書というものは、
大きく2種類に分けられる気がします。

一つは、どういう実験事実の矛盾が生じて、
どのような新しい理論が構築されていったかというように、
歴史的な順序をたどりながら、理解していく、
いわば、帰納的な論理展開のもの。

もう一つは、初めから最も本質的と思われる原理から説明して、
完全に統一された最も効率的な論理展開をしていく、
いわば、演繹的な論理展開のもの。

後者は、美しくて、最終的には理解が深まるのですが、
いきなり山をまっすぐ最短ルートで登るようなものなので、
勾配がきつすぎて、往々にして挫折します(笑)
一方、前者は、歴史をたどるので、まわりくどさはありますが、
僕のような凡人にも理解しやすいですね。

で、シッフはというと、
どちらかといえば帰納書に近くて、理解しやすいですが、
決して、内容が浅いというわけではなく、重厚で骨太な気がします。
(あくまでも読破したわけではないので、雰囲気ですが・・・)
これを読んだ後に、演繹書を読むと、さらに理解が深まるのかなと。
いつになるか分かりませんが。。。

問題の丁寧な解答解説集が別冊で発売されているのも、
非常にありがたいですね。
(シッフ本人ではなく、日本の物理学者が書いたもの)

普通、大学の教科書は、問題の解答がないのがデフォルトで、
あっても、巻末に数ページあるだけですし、
中には、証明が「明らか」という一言で終わっているということもよくある話です(笑)

量子力学演習―シッフの問題解説 (物理学叢書 (別巻))
量子力学演習―シッフの問題解説 (物理学叢書 (別巻))三枝 寿勝 瀬藤 憲昭

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ただ、問題の式とか途中の式とか、本教科書の方の数式番号しか書いてなかったりするので、
間違って、この本だけを演習書として買ってしまった人はショックでしょうね。

長くなったので、他に所有している教科書については、
続編でご紹介したいと思います。

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11 : 41 : 33 | 物理(量子論) | コメント(0) | page top↑
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